パトニー・スウォープ [Blu-ray]
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ジャンル | コメディー |
フォーマット | ドルビー |
コントリビュータ | ローラ・グリーン, ロバート・ダウニー, アーノルド・ジョンソン |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 85 分 |
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商品の説明
“『イージー★ライダー』も凄いけど、もう一本見るべき映画があるわ”-ジェーン・フォンダ
アメリカ映画史上最重要作の一本、半世紀超を経て遂に日本初上陸、初ソフト化。
2021年7月7日、85歳でこの世を去ったロバート・ダウニー。息子でありハリウッドを代表するスター俳優であるダウニー・Jr.は
インスタグラムに父親について投稿、「昨夜、パーキンソン病に何年も耐えた後、父親は安らかに眠りについた…彼はアメリカ映画界における偉大なる真の異端児だった。」と記した。
カウンターカルチャー時代の風雲児であり、アンダーグラウンド映画の助産師という異名を持つ、ロバート・ダウニーの代表作。アメリカ国立フィルム登録簿にも保存。
1969年の全米公開時、独自の過激なユーモアと世の中のあらゆる欺瞞を風刺する時代の先駆的作品として賛否両論とともに大ヒット、
同時期に世にあらわれた『イージー★ライダー』とともにアメリカ映画史においての歴史的最重要作とされている。
ジョージ・ルーカス・ファミリー・ファンデーションも資金提供しているマーティン・スコセッシのフィルム・ファンデーションが参加して
2019年にデジタルレストアが行われ、日本では50年超の時を経て2022年7月に初公開、遂に上陸を果たした。
ロバート・ダウニーは本作で監督とともに製作と脚本を手掛けた。アソシエイト・プロデューサーを務めたのは、後にアンリ・パチャードという名で、
ポルノ映画界で大成功を納めるロナルド・サリバン。撮影は2005年にアカデミー技術功労賞を受賞したジェラルド・コッツ。
編集は1974年『エクソシスト』、1984年『フラッシュダンス』で二度アカデミー賞にノミネートされたバド・S・スミス。
【STORY】
1960年代ニューヨーク。名門広告会社の創業者が突然亡くなり、会社唯一の黒人役員パトニー・スウォープが予想外の結果によって新社長に選出される。
スウォープは会社名をTruth&Soulに変更、ほぼすべての白人役員を解雇、破壊的で奇抜だが悪趣味ともいえる数々の広告キャンペーンでヒット商品を生み出し、
会社は新たな成功へと飛躍する。だがスウォープは国家安全保障への脅威であるとして、アメリカ大統領ミミオの陰謀に巻き込まれることになる…。
【CAST】
アーノルド・ジョンソン、ローラ・グリーン、バディ・バトラー、アンソニー・ファーガス、ローレンス・ウォルフ
【STAFF】
●監督・製作・脚本:ロバート・ダウニー
●アソシエイト・プロデューサー:ロナルド・サリバン
●撮影:ジェラルド・コッツ
●編集:バッド・S・スミス
●音楽:チャーリー・クーバ
©️ Hearld Productions, inc.
レイティング:PG12
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- 言語 : 日本語
- 梱包サイズ : 17 x 13.5 x 1 cm; 100 g
- EAN : 4988003878504
- 監督 : ロバート・ダウニー
- メディア形式 : ドルビー
- 時間 : 85 分
- 発売日 : 2022/12/14
- 出演 : アーノルド・ジョンソン, ローラ・グリーン
- 字幕: : 日本語
- 言語 : 英語 (Mono)
- 販売元 : キングレコード
- ASIN : B0BGJ5MTZK
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 86,189位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 1,865位外国のコメディ映画
- - 7,128位ブルーレイ 外国映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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Jr.の方は、ハリウッドセレブの仲間入りをした典型的なスター俳優だが、おとーちゃんは息子とは真逆の、すさまじい叛逆精神の持ち主だったらしい、というのが、この一本を観れば判る。
冒頭、NYの街を捉えた魚眼レンズによる空撮の映像から「キタ~!!」というカッコ良さ。もうこの映画はフツーと違うじゃんという予感ビンビン。
某巨大広告会社の役員会議の席で、色々まくし立てていた社長が、突然死んじゃう(爆)。
その社長の死体を放置したまま、役員たちは新社長の投票を開始。そして誰もが「唯一の黒人役員」パトニー・スウォープに、どうせ誰も入れないだろうと冗談半分で票を入れた結果・・・圧倒的多数でパトニーが新社長に。
パトニーは就任するや、白人の役員を全員クビに。社名も「Truth &Soul」に変え、悪趣味で過激な広告を展開。クライアントに対しても上から目線の恐れ知らずな姿勢でオレ様流儀で、広告業界を爆進する。
この映画が面白いのは、よくある黒人の人権を主張するヒューマニズム映画ではない、という事だ。白人側の差別的な部分も皮肉たっぷりに描いているが、このパトニー・スウォープという人物、社長になった瞬間、白人たちに対してここぞとばかりに「逆差別」を開始。黒人社員と白人社員の報酬額に差があるのはもちろん、アラブ人に対してはもっとドイヒーな扱いをする。決してキング牧師のようなヒューマニストではないのだ。
パトニーには色んな矛盾する部分があって、例えば銃のおもちゃのようなものは絶対に子供に持たせてはいけないと、至極まっとうな事を主張し、「酒」「タバコ」「戦争玩具」のCMは徹底的に拒絶する。
しかしその一方で、パトニー本人はどんどん独裁者のようになってゆき、誰に対しても高圧的な態度を取る。
最初は宗教指導者のような白いローブを着ていたのが、映画の後半では、カストロそっくりの帽子と軍服とブーツ姿になってしまい(爆)、この役者さんちょっとカストロに似ている事もあり、もうカストロにしか見えない、みたいな感じになってしまうのだ(笑)。
本作は基本的に白黒映画なのだが、CMのシーンだけカラーになる。
そのCMがまた、なにか過激でブラックな感じもあるのだが、けっこうワケが分からないというか・・・とにかくメチャクチャ。中でも航空会社のCMで、機内の特別室で乱交パーティーが始まってしまうCMはぶっ飛んでたな・・・(笑)。
登場人物も、奇人変人や現在ではゼッタイ映画では不可能な設定で、もうビックリしてしまう。
露出狂の役員や、アイディアの才能をチラつかせて・・・というより、半ば脅迫的に迫って社長夫人に収まる黒人女、ブラック・パンサーを連想させる過激集団に、合衆国大統領は、な何と小人ですわ!・・・こんなん大丈夫かい!? いや大丈夫じゃないだろ(爆)。
とにかく強烈なキャラクターばかりで、善人というのが一人もいない。
スゴい・・・こんなアメリカ映画、久々に観たわ。というか滅多に観れないよなぁ(笑)。
で、この小人の大統領が、パトニーの会社の猛進撃に目をつけて意のままにしようとするのだが、パトニーは相変わらず「酒」「タバコ」「戦争玩具」のCM制作は拒否り続ける。
やがて大統領自らが先陣に立って、CM作れデモを繰り広げて・・・いや、デモって一般ピーポーがやるもんでしょ(爆)。
やがて、パトニーの行き過ぎた独裁運営に、社員たちも不満を爆発させ・・・。
この映画が気に入ったのは、なにかアート映画としてご立派な事をしようなどとしていない、という点で、とにかくまとまりがない(笑)。
資本主義、人種差別、物質文明に政治・・・ありとあらゆるものを皮肉っておちょくり倒そうとしているのだが、その一方で、監督であるロバート・ダウニーの思想というか・・・つまり映画としてのテーマのようなものはゼンゼン視えてこない。最後の最後まで無軌道で無秩序なのだ。
ネットでの評価を見ると、やっぱりあんまり高くない。なぜかって言うと、日本人の観客は、最後まで観てちゃんと納得させてくれる映画が観たいのだ。
ああ、この映画はこんな事を訴えたかったのだ・・・みたいな満足感を求めているのだ。
しかし『パトニー・スウォープ』にはそんなものはない。最後まで取っ散らかったまま、目につくものに片っ端からツバを吐く。悪人も権力者も善人も弱者もカンケーなし、って感じ。まあ資本主義を強烈に皮肉っているのは分かるけど、パシっとオチが決まるような作りになっていない。何というか、尻切れトンボのような・・・しかしそれは監督の技量の低さからではなく、確信犯的にやっているのが判るのだ。
人は、映画や物語に対して「こうでなくてはいけない」あるいは「こうあるべきだ」という無意識の刷り込みがある。例えば「悪人は最後で罰せられなければいけない」とか、「善人は、物語の途中で受難する事はあっても、最後では救われなければいけない」とか。
こうした方程式で見ていくと、白人中心だった会社を乗っ取った黒人社長のパトニーは、物語のロジックで言えば「洗練潔白な人道主義者で、人種の平等を実現させてゆく」人物であるべきだ、と観客は無意識に考えているのである。
だから、その通りになれば気持ちいいと感じるし、そうでないと違和感を憶えて、やがてそれが「イミ不明」という結論へ到達してしまう。
ところが本作では、パトニーは白人に対して敵意むき出し、のみならず、誰に対しても高圧的。部下はもとよりクライアントに対しても大統領に対しても全く恐れ知らず・・・オレ様のルールに従え、という人物だ。
こんな性格のキャラクターは、一般商業映画の中ではまず見る事はできない。映画の中の悪役ですら、そこにはあるお約束が存在し、記号化された悪役として観客を安心させてくれるように出来ている。
この映画には「安心」がないのである。つまりロジックを否定しているのである。
だから、観客が求めているところに連れて行ってくれない。故にこの映画は出来が悪い、ちんちくりんだ、という見方しかできない。
しかしこの映画は、そもそも人間社会というのはこういう不条理で全く筋が通っていないものじゃないかね? と言っているのである。
面白いなぁ、何もかも正直に作ると、大衆はそれを受け入れられなくなるんだなぁ。多くの人は「秩序」を求めるんだよね。人間社会なんて、そもそも無秩序で『パトニー・スウォープ』と全く同じなのに、なぜこの映画の無秩序を受け入れる事ができないのか。
当のダウニー本人は、広告業界に2年間いた事があり、その時に見たものをこの映画にぶち込んだと言っている。また、配給を引き受けたプロデューサーについては「彼は私がクレイジーだと思っているから引き受けたんだ」と発言している。
実験映画の旗手ジョナス・メカスによるダウニーへのインタビュー(日本公開時のパンフレットに掲載)の中で、ダウニーがいきなり「君がなんでインタビューするのか分からないな。私がインタビュアーで、君が『パトニー・スウォープ』の監督だという方が面白い」などと言い、いきなり逆インタビューが始まってしまう顛末・・・どこまでも人を喰ったヒトなのだ、ダウニーは。
本来なら、こんなメチャクチャな映画はアメリカの通例では大コケして無視され忘れ去られてしまうハズである。デニス・ホッパーの『ラストムービー』のように。
しかし幸運だったのは、TV番組の中でジェーン・フォンダが、「『イージー・ライダー』もいいけど、ほかにも観るべき映画があるわ。『パトニー・スウォープ』よ」と発言したのが呼び水となって、観客動員数が激増、な何とヒットしてしまったのだ。
ダウニーは一躍時の人となり、ハリウッドからもオファーが殺到。
しかし「全て断った」というのが痛快ではないか。
「ハリウッドは原作ものをやらせたい。で、私は言った『この小説はクソだ』 で、そいつらが言う『知ってるさ。で、いつから始められる?』」
「私の居場所はそこじゃない。ちょうど中間なんだ。アンダーグラウンドとハリウッドの中間にいつもいる」
う~ん。実に痛快なオヤジだな。オレが大好きなタイプの漢だぜ(笑)。
アイアンマンのパパは、かくも反骨精神に溢れる男だったのだ!
まあ、ソフトが発売されたら、「イミフ」的なディスりレビューが一気に掲載されると思うけど、だからこそ『パトニー・スウォープ』は最高なのだ、と言いたい(笑)。