残酷怪奇路線のフルチ映画のファン、マニアならば、絶賛するはずの怪作(1981年製作)。
<但し、一部のマニア向けであり、一般受けには到底無理な作品。>
「サンゲリア」(79)、「地獄の門」(80)、「ビヨンド」(81)と観て来た方々で、
本作を今一に感じたらフルチのファン、マニアとは呼べない。
本作からフルチの失速が始まったという批評もあるが、それは誤りである。
<単なる好みの問題で、映画の趣旨を理解せずに決めつけている。>
オープニングやエンディングに流れるメインテーマを始め、
音楽担当ウォルター・リッツァートによるパイプオルガン風の音色を多用した荘厳で、
物悲しい旋律が物語全編を盛り上げている。
荒れた墓地の中に建つ一軒家を舞台に怪奇オカルト色とお化け屋敷要素、
マッド・サイエンティスト物にゾンビ要素を掛け合わせ、じわり、じわりとサスペンス効果で煽り、
強烈なグロ・ゴア・スプラッター場面を叩き突けてくる演出のどこが悪いのか。
これは、子供の視点を取り入れた残酷なおとぎ話でもある。
フロイトシュタイン博士(「ビヨンド」の配管工ジョー役ジョヴァンニ・デ・ナヴァ)の造形は、
過去にないほど醜悪な顔であり、また奇怪で気色悪いゲテモノ・メイクの傑作であり、
また人喰いゾンビとは一線を画する斬新な殺人鬼設定である。
<ジークムント・フロイトとフランケンシュタインを融合した名前は、滑稽であるが。>
顔面ダラリ、グチャ・グチャ死体、ゲロ・ゲロ・スプラッター等、過激な残酷描写は健在。
「地獄の門」では、内臓芋づる式嘔吐場面の犠牲者。「恐怖!黒猫」では、腐乱死体。「ザ・リッパー」では、
切り裂き魔に眼球や乳首を真っ二つにされた挙句、全身滅多切りに惨殺された娼婦役、
とフルチ映画の「殺され役専門」女優ダニエラ・ドリアは、
本作でも冒頭から殺人鬼の餌食になり、脳天串刺し(口から突き抜けるナイフ)にされている。
<ここから、ネタバレあり、ご注意下さい。>
本作も怪奇小説作家H・P・ラヴクラフトの世界を意識した印象が強く、
抑制された演出からくるミステリアスで、殺気に満ちた重苦しい雰囲気、地獄絵図の様な地下室で、
無造作に転がる惨殺死体、狭く限られた画面作りを意識したカメラワークの妙技等、
フルチ独特の猟奇的なオカルト・ホラーに仕上がっている。
ストーリー及び人物設定も不気味さや怖さを引き立てるために過ぎない。
回収されない伏線や破綻した基本設定にも致命的な欠陥があると酷評は尽きない。
が、そもそも、そういう視点で観る映画ではないのだ。
本作に求める価値観の違いである。所詮は好みの問題であり、作家の意図を受け止めるか、否かである。
脚本のダルダーノ・サケッティと監督のフルチの目指す方向性が違った事で混乱を招いたという裏話もあるが、
そんな事はどうでも良い。観る人が、出来上がった作品を単に楽しめるか、どうかの問題である。
<筆者の場合は、周囲の酷評に影響されず、大いに愉しめた作品です。>
ジャネット・デ・ロッシ&マウリツィオ・トラニのコンビによる特殊メイク効果の数々は強烈・圧巻。
今回は「眼球破壊」描写が封印されている。が、冒頭場面の衝撃的なナイフの脳天串刺し、
喉切り裂きから切断された生首がゴロン、ゴロンと階段を転げ落ちて来る奇怪な光景、
斧で扉を叩き壊しながら片腕切断、尖った鉄棒で腹や胸や喉を突刺すなど、過激な流血効果は満載。
さらには腹を突刺されたフロイトシュタインの身体の中から無数の蛆が膿の様に流れ出す光景や、
喉を掻き毟られたノーマンの最期も凄惨である。
不動産屋の女性オーナーを演じたダグマー・ラッサンダー(ダグマール・レジーネ・ハデル)を尖った鉄棒で、
虐殺する場面が衝撃・圧巻。腹から胸、喉元をゆっくりと突刺していく光景は、
凄まじく無慈悲なグロ・ゴア・スプラッター描写が炸裂するのだ。
<殺した直後、死体を引きずる光景で...何と彼女の顔半分が血みどろに染まり、片目が潰されている。
もしかして目潰し描写は予定されていたのか、それとも撮られていたのか...(!?)。気になるところだ。>
ノーマンの一人息子の少年ボブ(ジョヴァンニ・フレッツァ)と、
神出鬼没に出現するフロイトシュタイン博士の娘メイ(シルヴィア・コラティーナ)の二人が、
繰り返し遭遇する(テレパシー交信のような)演出描写は、幻想的でメルヘンチックな要素も見受けられる。
子供の魔性や関係については、ヘンリー・ジェイムズの小説「ねじの回転」や、
ナルシソ・イバネッツ・セラドール監督作「象牙色のアイドル」から影響を受けたらしい。
カトリオーナ・マッコールは、本作で初めてモンスター(殺人鬼)の魔の手により、
最後の犠牲者として惨殺されるなど、フルチ映画出演作の最後を飾っている。
「インフェルノ」(80)や「シャドー」(82)に出演したアニア・ピエローニは、階段を落ちる生首姿となる。
またフルチ監督は、ノーマン(パオロ・マルコ)の上司役で顔を見せている。
難解だと言われる結末について(主観的な感想)。
「子供のボブにしか姿が見えない」警告を発するメイ(と博士の妻)の正体は、地縛霊のようなものか、
その土地に宿る死霊、又は精霊であり、「あちらの世界」から純粋無垢な魂と心を持つボブを迎えに来たと思われる。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥2,000以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
墓地裏の家 [Blu-ray]
¥2,431 ¥2,431 税込
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥2,431","priceAmount":2431.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,431","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"2CBYzGiIHsBb7ny4p3xcWA3MAwZJ1r3k4P7RPf14dVCaKjAGnzs3P0JrgfMA8rY35dh9F4krtfE6Z5agrEl4PY3NQiY6mfmXHxAt%2BJyqPVuHeQcqQH%2Fromx6R6fvDjNdTehFqrOcEQs%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
よく一緒に購入されている商品
![墓地裏の家 [Blu-ray]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51dqprQa4DL._AC_UL116_SR116,116_.jpg)
対象商品: 墓地裏の家 [Blu-ray]
¥2,431¥2,431
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り18点 ご注文はお早めに
¥2,750¥2,750
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り12点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
「死ぬまでにこれは観ろ! 2022」 キング洋画廉価320連発!
名作から珍品まで。観て損なし! ぜんぶ凄く面白い! !
大好評! 「3枚買ったらもれなく1枚もらえる! 」キャンペーン実施! !
応募期間は2022年8月10日~2022年12月31日※当日消印有効※
※今回発売となる全320タイトルが対象です。対象商品は商品に封入のリストをご確認ください。
※3枚の組み合わせは自由です (DVDを3枚買ってBDをもらうのもOK!)
※応募方式・期間限定キャンペーンになります。当日消印有効。
※詳細は対象商品内に封入の専用応募ハガキをご覧ください。
登録情報
- 製品サイズ : 30 x 10 x 20 cm; 90 g
- EAN : 4988003875831
- 監督 : ルチオ・フルチ
- 発売日 : 2022/8/10
- 出演 : カトリオーナ・マッコール, パオロ・マルコ, アニア・ピエローニ
- 販売元 : キングレコード
- ASIN : B09X1LZ49L
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 31,047位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 634位外国のホラー映画
- - 3,244位ブルーレイ 外国映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2011年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年12月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ルチオ・フルチ節炸裂ですね ただ 今作も汚ならしい作品になっております そして定番の蛆虫の登場
評価は様々
自分は フルチ作品が好きな者ですが
今作品は とにかくイライラします
息子であるガキンチョは 大人みたいな声だし
やたら キャーキャー騒ぎまくるし 父親は弱すぎるし 母親はモタモタし過ぎだし
片腕ゾンビは ノロマなのに 怪力だしで
残念でしたね
古き良き時代のホラー映画ですが フルチ映画では 残念過ぎる映画でした
評価は 故フルチ監督にせめてもの餞ですね
( ̄・・ ̄)
評価は様々
自分は フルチ作品が好きな者ですが
今作品は とにかくイライラします
息子であるガキンチョは 大人みたいな声だし
やたら キャーキャー騒ぎまくるし 父親は弱すぎるし 母親はモタモタし過ぎだし
片腕ゾンビは ノロマなのに 怪力だしで
残念でしたね
古き良き時代のホラー映画ですが フルチ映画では 残念過ぎる映画でした
評価は 故フルチ監督にせめてもの餞ですね
( ̄・・ ̄)
2008年4月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
プレミア価値がついて破格の値段になってしまっているが、正直話は字幕が無くても大体わかるので、
Amazon.comのAll RegionのDVDを買った方が、送料込みで4000円しないので、お得だと思う。
フルチの作品は、ストーリーより映像のインパクト重視なので、字幕無しでも楽しめる。
ましてやこの作品は絶頂期の時なので、ストーリーは支離滅裂!!
補足だが、日本版DVDのジャケット裏のストーリー解説は、書いていることは少ないが、
「地下室に住むのはフロストステイン博士だ」と、犯人の正体をばらしてしまっている!笑
(まあ、どこの解説でも書いてありますが。)
Amazon.comのAll RegionのDVDを買った方が、送料込みで4000円しないので、お得だと思う。
フルチの作品は、ストーリーより映像のインパクト重視なので、字幕無しでも楽しめる。
ましてやこの作品は絶頂期の時なので、ストーリーは支離滅裂!!
補足だが、日本版DVDのジャケット裏のストーリー解説は、書いていることは少ないが、
「地下室に住むのはフロストステイン博士だ」と、犯人の正体をばらしてしまっている!笑
(まあ、どこの解説でも書いてありますが。)
2019年8月17日に日本でレビュー済み
‘81年、イタリア映画。ルチオ・フルチ監督。
不死の怪物と化したマッドサイエンティストの恐怖を描く、スプラッターホラーです。
“マカロニ・スプラッターの帝王” ルチオ・フルチ。
とはいうものの、筆者は彼の作品が、あまり好きではありません。だって、つまらないんだもの。
筆者もホラー愛好家の端くれとして、魅力を感じ取ろうと努めはしたのですが、やっぱ無理。
観れば観るほど、作りの粗ばかり目についてしまい・・・・。
本作も例に漏れず、随所にデタラメさを見せつけており、それらをいちいちツッコんでみます。
ストーリー面では、まず眉毛がぶっとい子守のアンの件。
コソコソと不審な動きをして、怪物の手先かと思ったら、あっさり殺される。何だったの、この女?
その怪行動を見たノーマンやルーシーが、気にしないのもおかしい。
NYの自宅に、なぜかあの家の写真。ルーシーの精神安定剤。ノーマンと女の子を以前に見たという話。
これらは伏線かと思いきや、全部ほったらかしです。何のこっちゃ?
終盤に、ノーマンがピーターソンのテープを聞いた後、燃やすのも謎。
徹頭徹尾、不整合なシナリオで、解釈もへったくれもありません。
(なお、ラストも不可解ですが、これは別にいいんです。ホラー=怪奇幻想の味であって・・・・。)
以上は脚本家の責任であり、フルチのせいではないとも言えます。
そもそも制作にあたり、まずダルダーノ・サケッティが意味不明な脚本を書いてくる。
フルチは「これ、おかしくない?」とこぼしつつ、不承不承に撮るというパターンだったようです。
いやいや、あなたの演出だっておかしいですよ、と。
場面転換のキレが悪い、BGMの使い方が雑、恐怖場面がトロいなど、いちいちヘッタクソ。
いかにも思わせぶりな、アップの多用・役者の目線は、しかしほとんどが無意味。
手に噛みついた蝙蝠をハサミで刺すと、違う所から血が出る。
子供の声で泣く怪物・・・・設定は面白いのに、「フォー」という別の声も混ぜたため効果不全。
結局、コンテンツとしての残酷描写のみに注力し、あとはヤッツケ仕事です。
好事家の目を引いて、小金を稼げりゃそれでよかった。それがフルチホラーの本質ではないでしょうか。
これが帝王? 私に言わせれば、裸の王様です。フルチンです。・・・・ルチオ・フルチン。
はい、要するに、このダジャレが書きたかったんです。ごめんなさい。
不死の怪物と化したマッドサイエンティストの恐怖を描く、スプラッターホラーです。
“マカロニ・スプラッターの帝王” ルチオ・フルチ。
とはいうものの、筆者は彼の作品が、あまり好きではありません。だって、つまらないんだもの。
筆者もホラー愛好家の端くれとして、魅力を感じ取ろうと努めはしたのですが、やっぱ無理。
観れば観るほど、作りの粗ばかり目についてしまい・・・・。
本作も例に漏れず、随所にデタラメさを見せつけており、それらをいちいちツッコんでみます。
ストーリー面では、まず眉毛がぶっとい子守のアンの件。
コソコソと不審な動きをして、怪物の手先かと思ったら、あっさり殺される。何だったの、この女?
その怪行動を見たノーマンやルーシーが、気にしないのもおかしい。
NYの自宅に、なぜかあの家の写真。ルーシーの精神安定剤。ノーマンと女の子を以前に見たという話。
これらは伏線かと思いきや、全部ほったらかしです。何のこっちゃ?
終盤に、ノーマンがピーターソンのテープを聞いた後、燃やすのも謎。
徹頭徹尾、不整合なシナリオで、解釈もへったくれもありません。
(なお、ラストも不可解ですが、これは別にいいんです。ホラー=怪奇幻想の味であって・・・・。)
以上は脚本家の責任であり、フルチのせいではないとも言えます。
そもそも制作にあたり、まずダルダーノ・サケッティが意味不明な脚本を書いてくる。
フルチは「これ、おかしくない?」とこぼしつつ、不承不承に撮るというパターンだったようです。
いやいや、あなたの演出だっておかしいですよ、と。
場面転換のキレが悪い、BGMの使い方が雑、恐怖場面がトロいなど、いちいちヘッタクソ。
いかにも思わせぶりな、アップの多用・役者の目線は、しかしほとんどが無意味。
手に噛みついた蝙蝠をハサミで刺すと、違う所から血が出る。
子供の声で泣く怪物・・・・設定は面白いのに、「フォー」という別の声も混ぜたため効果不全。
結局、コンテンツとしての残酷描写のみに注力し、あとはヤッツケ仕事です。
好事家の目を引いて、小金を稼げりゃそれでよかった。それがフルチホラーの本質ではないでしょうか。
これが帝王? 私に言わせれば、裸の王様です。フルチンです。・・・・ルチオ・フルチン。
はい、要するに、このダジャレが書きたかったんです。ごめんなさい。
2014年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ルチオ・フルチ独特の残酷描写で見せる、彼の作品の代表作?の1本であります。
頭部を刃物が貫通します。
首が切断されます。蝙蝠が襲ってきます。
地下室にバラバラ遺体が有ります。お腹から蛆がボトボト落ちます。
・・・・・ただ最後が・・・・意味不明な終わりかたしてます。なんとなく無理やりなような・・・
頭部を刃物が貫通します。
首が切断されます。蝙蝠が襲ってきます。
地下室にバラバラ遺体が有ります。お腹から蛆がボトボト落ちます。
・・・・・ただ最後が・・・・意味不明な終わりかたしてます。なんとなく無理やりなような・・・
2022年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
低価格版は、リバーシブルジャケットでは無いので死ぬまでにこれを観ろのロゴが背表紙にあり、悲しくなる。
2011年11月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
その昔、ホラー映画を見漁っていた時に、私の中では''の作品で、欲しくて探していましたが無く、今回、デジタルリマスター版が出るということで飛び付いて予約購入しました。
しかし・・・、結果はガッカリの方が大きかった。ビヨンドのように見終わった後に心が寒くなるわけでもなく、サンゲリアの方が、今見ても、良いです。
結局、見ても、何も残らず、こんな作品を長い間、欲していたのか・・と、自分の記憶に腹が立ちました。その後に、いろんなゾンビ映画を見過ぎたせいでしょうか?
購入後、かなり時間が経ちますが、もう一度見たいとは思わないです。
しかし・・・、結果はガッカリの方が大きかった。ビヨンドのように見終わった後に心が寒くなるわけでもなく、サンゲリアの方が、今見ても、良いです。
結局、見ても、何も残らず、こんな作品を長い間、欲していたのか・・と、自分の記憶に腹が立ちました。その後に、いろんなゾンビ映画を見過ぎたせいでしょうか?
購入後、かなり時間が経ちますが、もう一度見たいとは思わないです。
2021年8月1日に日本でレビュー済み
ルチオ・フルチ【残酷怪奇】映画
不穏な空気が始終漂い
陰鬱な雰囲気が醸し出される一軒家を舞台に起こる一家を襲う惨劇
郊外にある墓苑に囲まれた家というお化け屋敷を思わせる限定された舞台の閉塞感は自身のこれまでの作品以上に強く
特に不気味な地下室で遭遇する何かは、この設定が効果的に活かされているのでフルチファンは勿論、残虐な惨殺シーンと共に立て続けに主演を務めたカトリオーナ・マッコールを見届けなくてはならない
幼い息子ボブが『ビヨンド』の少女と同じく良い存在感です
子供も同等に残酷な地獄へ放り込まれますが
今回は不思議な導きをする少女の存在もあります
【以下ネタバレ注意】本作以外に日野日出志「原色の孤島」、塚本晋也『HAZE』を含みます
フロイトシュタイン博士が、もはや何者であったかなど想像できない程の《成れの果て》蛆虫が蠢く腐乱した化物姿が傑作です(奇妙な鳴き声も最高ですね)
ラストシーンは特に好きです
『墓地裏の家』のラストシーンは急に童話風・御伽噺的・メルヘンチック〜と何かキツネかフルチにつままれたようで‥意味不明だとか思われるみたいですが子供が別の領域《冥界》に引き上げられ(ある意味)重い現実から救われたようなので自分はどこかホッとしていましたが‥(それでもあの子が辿った運命は哀しいでしょう)
似たような印象のラスト場面を感じたものでは
日野日出志先生の「原色の孤島」(72)、塚本晋也監督『HAZE』(06)が好きです。
他にも幾つか有りますが
作品に旨くハマれば何とも言えない余韻が残り良いですね
不穏な空気が始終漂い
陰鬱な雰囲気が醸し出される一軒家を舞台に起こる一家を襲う惨劇
郊外にある墓苑に囲まれた家というお化け屋敷を思わせる限定された舞台の閉塞感は自身のこれまでの作品以上に強く
特に不気味な地下室で遭遇する何かは、この設定が効果的に活かされているのでフルチファンは勿論、残虐な惨殺シーンと共に立て続けに主演を務めたカトリオーナ・マッコールを見届けなくてはならない
幼い息子ボブが『ビヨンド』の少女と同じく良い存在感です
子供も同等に残酷な地獄へ放り込まれますが
今回は不思議な導きをする少女の存在もあります
【以下ネタバレ注意】本作以外に日野日出志「原色の孤島」、塚本晋也『HAZE』を含みます
フロイトシュタイン博士が、もはや何者であったかなど想像できない程の《成れの果て》蛆虫が蠢く腐乱した化物姿が傑作です(奇妙な鳴き声も最高ですね)
ラストシーンは特に好きです
『墓地裏の家』のラストシーンは急に童話風・御伽噺的・メルヘンチック〜と何かキツネかフルチにつままれたようで‥意味不明だとか思われるみたいですが子供が別の領域《冥界》に引き上げられ(ある意味)重い現実から救われたようなので自分はどこかホッとしていましたが‥(それでもあの子が辿った運命は哀しいでしょう)
似たような印象のラスト場面を感じたものでは
日野日出志先生の「原色の孤島」(72)、塚本晋也監督『HAZE』(06)が好きです。
他にも幾つか有りますが
作品に旨くハマれば何とも言えない余韻が残り良いですね