![ステップ [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/81b-e2VSGIL.__AC_SY300_SX300_QL70_ML2_.jpg)
子供に向き合う、と決めることは容易ではないと思う。世間からの評価も得られないし、世の中に置いてきぼりになってしまう思いを感じたりする、全てが計画通りにいかないし、子供の時間に合わせていると遅くなるからこそ、自分自身に費やせる時間が減り、またそれが不安になる…だが、それを一切この作品は描かず、「子供の成長を見守ることがどれだけプライスレスか」を、改めて投げかけてくれた。
子育ては永遠ではない、子供との時間は取り戻せない、でもキャリアは取り戻せるし、自分がやりたいと思うことって生きてればいつだってやれる。
2歳のみきちゃん、小学校低学年のみきちゃん、小学校高学年のみきちゃん、この成長の描き方も秀逸で（まさにうちの娘が同じような成長を辿ったため、そのままだった。）、自身の子育てを振り返っているようでずっと涙がとまらなかった。
本も良かったけれど、映画も良かった。
重松清さんの作品は、心が洗われる。家族や人の温かみ・愛を感じていつも温かい気持ちになる。素晴らしかった。
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イメージ付きのレビュー
女の子を育てると、男が女性化する？
『中央公論』に連載（2007年１月号～）された、重松清の『恋まで、あと三歩。』を改題した同名小説が原作。 肥満体型に繊細な人は決して少なくはないが、センシティヴでナイーヴなストーリーと言うより、まるで女性がステップ（シングル）・ファーザーの立場を想像して書いたのではないかと錯覚させるような話。 重松さんの映画化ドラマ化作品群の中では、『幼な子われらに生まれ』とかには及ばぬものの、お泪頂戴の要素を比較的抑え気味にした分、まあまあマシな方。 川栄李奈は見せ場に問題があるのか期待ほどではなく、広末涼子はミスキャストとも思えるが、山田孝之や國村隼、岩松了、余貴美子といった手堅い俳優陣が全然悪くないし、数名いる子役たちもそれなりに達者。 既にあちこちから引っ張り凧の伊藤沙莉に注目、ハスキーな声、ドスコイ抱っこの構えが実にハマッている。 しかし、一番観て欲しいのは、物真似タレントのコロッケに少し似たルックスを持つ東京03の角田晃広。 この人、本業のコントでもテレビ・ドラマでも映画でも全部同じ、“素と演技のボーダーレス”タレントだよね。 キリスト教的ではなくブッティズム、及びアフリカの死生観を持ち出すのは食傷気味だが、幼い娘にシンプルな台詞で言わせる企みは成功していると思う。
