「ヘアピン・サーカス」 TOYOTA2000GT vs. マツダサバンナRX-3! ! 日本が誇る名車たちが疾走する真夜中のハイウェイ! 国産カーアクション映画の最高峰、初ブルーレイ化。 【解説】 何ものかに反撥して夜の公道を突っ走る若者たち、凄まじいスピードの中で絡み合う愛に飢えた2台の車、轟音を奏でるエグゾーストノートとぶつかり合う華麗なるシネジャズ、 そしていのちを燃やして疾走する男と女・・・。 五木寛之の原作をもとに、東宝ニューアクションの鬼才西村潔監督がメガホンを取った、まさに奇跡としかいいようのない傑作アクション。 『バニシング・ポイント』などのアメリカン・ニューシネマと同時代に登場した、これこそ極東ニューシネマとも言える鮮烈な一作である。 CGなど無かった時代、首都高、横浜を名車TOYOTA2000GTが猛スピードで駆け抜ける映像はすべてホンモノ。 撮影のための交通規制などいっさい無い、現代では決して撮りえない映像である。「車に関してウソは描かない・・・」この信念のもと製作された本作は、 主役の見崎清志のほか舘信秀、佐藤文康など当時の現役レーサーを起用、さらにテクニカルディレクターとして、60年代のチームトヨタで活躍した元ワークスドライバー大坪善男が参加。 実際のマカオ・グランプリで撮影されたレースシーン、公道でのカーアクションなど、『ブリット』などのハリウッド製カーアクションの傑作群に決して引けをとらない、 国産カーアクションの最高傑作といえる迫力とリアリティを備えている。 そして本作をよりいっそう引き立てるのが日本ジャズ界屈指のビッグネーム、菊地雅章によるオリジナルサウンドトラック。 映像に付随する音としてではなく、映像と対等な立場に立つものとして作られた音は、画と衝突することによって他にはみられない異次元の肌ざわりを生み出している。 【あらすじ】 マカオのグランプリ以来、島尾俊也の名はレース界から消えた。 ライバルの三沢を事故死させてしまった心の傷が、島尾からレースに賭けるひたむきな情熱を奪ってしまった。 自動車教習所の指導員というのが今の職業だが、島尾の表情にはかつて見せていた生彩はなく、既に青春を終えてしまった男の無気力さが色濃くあった。 ある日、島尾は高速道路でカモを見つけては相手の車を挑発して事故に追いやっている若者のグループを目撃する。 そのグループの中で女王然と振舞う一人の女に島尾は見覚えがあった。彼女の名は小林美樹。 一年ほど前島尾に運転を習いにきた娘で、抜群の反射神経とカンを持っていた。生彩を欠いた島尾がたった一人、心を動かされた生徒だった。 美樹の車体には七つの菊のマークが描かれている。それは美樹が挑発し、ヘアピン・カーブで撃墜したカモの数であった。 そして島尾の忠告にもかかわらず、その数は七つから九つへと増えていった。なぜか島尾の血が騒ぐ。 ハイウェイ・レースにいのちを燃やしている美樹に、スピードの恐ろしさを教えてやらなければならない。島尾は自ら挑発されようと夜の高速道路で待機していた。 反抗的な生徒に身をもってスピードの恐ろしさを教えるのだと島尾は自分に言いきかせてはいたが、元レーサーとしての血が騒いでいることには気づいていない。 美樹の車が護衛の車を従えてカモを探しにやって来た。島尾が挑発される。護衛の車を次々と脱落させて、美樹と島尾が漆黒のハイウェイを突っ走る。 まるで愛に飢えた二匹の生き物が交尾しているように絡み合って走る。美樹は明らかにスピードに酔っていた。 島尾と知って喘いでいた。目前に迫るT字路レンガの壁。踊るようにすり抜けた島尾のあとで、美樹の車は壁に激突し、跳ねて叩きつけられていた。 【STAFF】 ●監督:西村潔「白昼の襲撃」「豹は走った」「西部警察(TV)」 ●製作:安武 龍「東京裁判」 ●原作:五木寛之(『四月の海賊たち』収蔵) ●脚本:永原秀一「女番長 野良猫ロック」「太陽にほえろ!(TV)」「蘇える金狼」 ●音楽:菊地雅章 ●編集:諏訪三千男「君よ憤怒の河を渉れ」 ●美術:樋口幸男「駅 STATION」 ●撮影:原一民「日本一の断絶男」「幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形」「きけ、わだつみの声」 ●録音:神蔵昇 ●照明:森弘充 ●テクニカル・ディレクター:大坪善男 【CAST】 ●出演: 見崎清志、江夏夕子、笠井紀美子、戸部夕子、 睦五郎、佐藤文康、舘信秀、有山直樹、田坂都 ●登場車種: トヨタ2000GT/マツダサバンナRX-3/アルファロメオ1750クーペ/トヨタセリカ1600ほか ◆映像特典 関係者インタビュー:原一民、安武龍、大坪善男、見崎清志 © 1972 東宝株式会社
西村潔監督による、2000GTなど往年の国産名車が多数登場するカーアクション。ライバルの事故死をきっかけにレースから去った島尾は、自動車教習所で働いていた。そんな中、島尾は公道でバトルを仕掛ける若者を目撃する。
マカオのグランプリ以来、島尾俊也の名はレース界から消えた。ライバルの三沢を事故死させてしまった心の傷が、島尾からレースに賭けるひたむきな情熱を奪ってしまった。自動車教習所の指導員というのが今の職業だが、島尾の表情にはかつて見せていた生彩はなく、既に青春を終えてしまった男の無気力さが色濃くあった。ある日、島尾は高速道路でカモを見つけては相手の車を挑発して事故に追いやっている若者のグループを目撃し…。