『エイリアン:コヴェナント』であまりに美しいアンドロイドを演じたマイケル・ファスベンダーが観たくて、セックス依存症の兄と恋愛依存症とリストカット依存のある妹の話ということだけ知って、良さそうな映画だと感じたのでこの映画を観た。
観るまでは、わたしはまるで当事者ではないような気持ちでこの映画を観始めた。
しかし観ていくなかで、わたしは自分と兄の関係を観ていることがわかった。
この映画はあからさまな兄と妹の共依存(相互依存)の関係が描かれているが、わたしと兄の場合、互いにそれをずっと隠し合い続けてきた。
兄とわたしは、ブランドンとシシーのように言いたいことをぶつけ合えるような瞬間がこれまでなかったように感じる。
わたしは兄に甘えられるときはなかった。
兄はいつも本当に些細なことでわたしを罵り、心から軽蔑し、酷いときは顔に痣ができたり柱に頭を思い切りぶつける、思い切り蹴るなどの暴力を奮った。
わたしは兄を殺人犯にしてしまうことを恐れ、父が死んで兄と二人で暮らしてきた家を出た。
兄は、わたしの知る限りはセックス依存症ではない。
しかしこの映画の主人公のブライドンのように、”人(女性)を好きになれない”人間であり、例え交際した女性と関係を持っても、一緒に暮らしたい、結婚したいなどの気持ちが芽生えることがないと話していたことを姉から聴いた。
一方、わたしは22歳のときに最愛の父を亡くしてから初めて男性と交際し始め関係を持ち、セックス依存症ではないが性に対してあまりに奔放に(サイトで出会った男性とその場限りの関係をし続けて)生きてきたし、39歳の今でも好きになった人に激しく依存する境界性パーソナリティ障害の症状が抜けることがない。
ブライドンもシシーも、確実に幼い時分の親からの愛情の飢えが関係しているだろう。
わたしは兄が6歳のときに生まれてわたしが2歳のときに母が乳がんを発覚し、その2年後に母は他界した。
兄はまだ母からの愛情を一途に欲していた時期にわたしに母を横取りされ、潜在意識でわたしに対する嫉妬が常にあったことだろう。
わたしはわたしでまだ乳離さえできていたかわからない頃に母が入院して母と引き離され、それは寂しい想いをしたことだろう。
母に対する愛情飢餓を、兄とわたしは今度は父に対して全力で満たすために求めて生きてきたはずだ。
しかし、父はどうしても息子であり上の子でも在るわたしの兄に対しては厳しく、また時には過保護であり、わたしは末の娘なので兄に比べて甘やかされて育てられてきたのだと想う。
兄もわたしも、父に対して言いたいことを言えるような関係ではなかった。
それほど父は威厳があり、また不器用な人で、容易に刃向かえない(父を苦しめることができない)ほどにわたしも兄も父を深く愛していた。
でも父が本当に心配していたのはわたしだった。
それは、わたしのほうが遥かに激しく父に依存して、父もまたわたしに依存していたからだと想う。
だがその共依存の関係が父とだけではなく、兄ともあるのを知ったのは父が他界した翌年の頃だった。
兄は鬱で働く気力のないわたしにいつも暴力を奮った。それに堪えられずに一度目に家を出たとき、帰ってきたら兄は長年安定して務めることができていた正社員の仕事を辞めていた。
姉が「おまえが出て行ったから○○(兄の名)は仕事辞めたんやで。」と責めるように言った。
ほとんどの兄と妹がそうではないのだろうが、わたしが10歳の頃、16歳の兄はわたしに性的関心があり、兄がわたしに性的欲求を求めて来ることが恐ろしくてトイレに父が帰ってくる時間まで閉じ籠もっていた時期があった。
しかしわたしに対する兄の性的欲求は奥深くへと閉じ籠められたかのように、わたしが成長するにつれて表には出ないようになった。
わたし自身、父にも兄にも顕在意識で性的欲求を覚えたことはない。
だがその想いは複雑であり、父や兄と性的な関係を持つ夢は幾度と見るし、愛する理想の男性を想い浮かべて性的な感情に満たされているときに、よく父と兄の存在は夢想する男性と入れ替わるように出てきてはその都度わたしを苦しめる。
もしかしたら兄もそんな複雑な苦しみを抱えてきたのだろうかと想う。
わたしは、セックスで満たされたと感じた経験がない。
自分の書く小説は自然と近親相姦的な話ばかりになってきた。
現実で、愛する男性によって満たされることを諦めているというよりも、わたしはそれを求めていないと感じる。
わたしが求めているのは、常に母と父と兄との愛であり、それは決して性的(肉体的)な次元のものではない。
その愛を、性的な次元で満たすことは不可能なのである。
そのことを、わたしも兄もわかっているし、この映画の兄と妹であるブライドンとシシーもわかっているからこそ、苦しみ続けている。
言うなれば、本当に愛する存在から愛され続けるという欲求を満たすとは、”肉体的”なものなのである。
愛する者を独占したいというこの欲望こそ、”肉欲”なのである。
それをどうしても得られないとき、人は相手に対する愛憎の念を潜在的に抱えずにはいられない。
本当に愛する存在(父と母と兄・妹)に対する潜在意識の愛憎の本質とは、”自分がダメだから愛されないんだと感じる自己憎悪・自責”の意識である。
だから愛されないダメな自分に対する自罰行為として、最も手っ取り早く、自分を最も苦しめて傷つけ、破壊せしめることのできる行為、自傷行為(セックスやリストカットやアルコール)に依存してしまうのである。
この依存症を克服するのは、あまりに困難である。
しかし克服するために、必要なものがある。
それは自分の”外”には、決して何も求めないということである。
わたしはずっとずっと、”完全なる愛”をわたしの外に求め続けて生きてきた。
何故、わたしは愛されないのか。何故、最も求める愛を、得られないのか。
そう叫び続けてきた。
しかし何故、それが在ると信じてきたのだろう。
わたしのなかにないならば、わたしの外にもない。
みずからの”内”に存在している愛に目覚めるまで、何故そのすべては虚構であるとわからなかったのか。
わたしの母(父・兄)なのだからわたしは完全なる愛によって愛されるべきだという根底にある観念が、わたしをずっと苦しみの底に突き落としてきた。
昨日か一昨日だったか、こんな夢を見た。
わたしと兄の今までの悲劇のすべては、並行世界(パラレルワールド)では起きていなくて、わたしは今でも兄と仲良く暮らしているのだと兄に教えるという、とても悲しい夢だった。
わたしが兄との仲を、取り戻すことは死ぬまでできないとわかっている。
家を出てからは、わたしは兄に何も求めることはなくなった。
その代わり、兄のすべてを赦してきた。
そして自分を赦してほしいと祈り続けて生きてきた。
その想いをずっと持ち続けるならば、いつの日か、きっと死後だと想うが、わたしと兄は、本当に心から赦し合える日が来るかもしれない。
追記:わたしと父、わたしと兄は、過去生では互いに深いカルマを負い合うほどに苦しめ合った恋人の関係にあったのだろうと感じている。
母の愛情の飢餓や、性質の遺伝などでここまで依存し合わなくてはならないのだとは想えない。
父は母の死後、あらゆるものを犠牲にしてわたしと兄を育ててくれた。
わたしも兄も父のその愛をわかっていた。
しかしそれでも、わたしと兄は父の愛に激しく不満を抱いて苦しんでいた。
この映画では親が毒親であって、それが原因であるかのように想わせる台詞があるが、近親相姦愛やセックス依存性や恋愛依存症はそれほど単純な原因によるものではないだろう。
劇中に出てくる兄ブランドンのPCのHD内にあったファイル用語”Creampi”とはなんだろうと検索してみると”膣内射精”の隠語だった。
この映画の兄妹は私と同じキリスト教徒の親のもとに生まれ、聖書の教えのもとに育てられたのかもしれない。
聖書は絶対的に避妊や、姦淫(配偶者以外との性行為、配偶者以外の人間を性的な目で見ること、即ちポルノビデオの鑑賞などすべて)を禁じている。
それは神に背く行為である為、セックス依存や性の奔放さは最も罪深い自罰(自傷)行為の一つとなるのである。
膣内射精は夫婦の契りと神から子を授かる為の重要な行為である。
その神聖なる行為を夫婦以外が行ったポルノビデオを鑑賞するという行為がどれほど罪深くて神(自分自身)を悲しませる背徳行為であるかをブランドンはわかっており、その行為によってどこまでも自分を破壊してゆけることを願っていたのだろう。
追記16日:
この映画を見終わったあと、晴れやかになる気持ちはなく寧ろ苦しいのだが、毎日この映画を観たくなるのは確かなカタルシスを生んでいる作品だからだろう。
自分が無意識に避け続けてきた兄との問題について深く考えさせてくれる。
わたしは父には甘えられる時があったが、兄には甘えられなかった。
でもそれは兄の愛を感じられなかったからではなく、兄がそれを拒んでいるように感じていたからだと想う。
普段は、兄はいつもわたしにアホなことを言ってお腹が苦しくなるほど笑わせてくれたりするような人だった。
でもほんのちょっとしたことで兄はわたしにキレて、恐ろしい形相でわたしという人間に対する蔑みと憎しみをぶつけてきた。
父も怒ると怖かったが、兄は父の何倍も恐ろしかった。
父が死んでから、わたしは遊び目的ではなく、真剣に支え合える人を求めて出会い系サイトで知り合った男性とよく会うようになった。
ある時、当時働いていなかったわたしが家に帰ってきて、何処へ行ってたのかと兄に訊ねられ、わたしが素直にネットで知り合った男性にハンバーガーを奢ってもらったことを伝えると、兄はあからさまにわたしを見下す顔で笑いながら「その見返りにヤラせたんか。」とわたしに言った。
わたしはそう言われたとき、あまりにショックで確か返事ができなかった気がする。
”妹に対する愛憎や嫉妬”という言葉ではとても言い表すことのできない複雑な感情が兄のなかにはあったのだと想う。
兄は自分の顔が、妹であるわたしの顔とよく似ていると言っていた。
それは外面よりも、内面がよく似ていることをわたしも兄もわかり合っているのだと感じる。
互いに、苦しくてならない人生だが、兄はそれでも生きており、わたしも生き抜くことを願っていることが、今の唯一の救いであると感じる。
追記18日:
ブランドンとマリアンがレストランでボーイからラムの焼き加減に”ピンク色”を勧められるシーンについて、ずっと考えていた。
黒人であるマリアンの肌の色は焼かれたラム(仔羊)のその表面の色を表しており、黒人の肌の色によって目立つピンク色の女性器の色は仔羊の肉の生焼けの色を表していると想えてならない。
これは卑猥な意味合いではなく、聖書的な意味(人間としての罪の意味)合いがあるように感じる。
かつてわたしは「悲しみの男カイン」という小説でカインという男が性欲のうちに貪る女と食欲のうちに貪る肉を同じものとして考えることを表現した。
そしてその罪が同等のものであることをこの主人公はわかっていた。
仔羊が望んでいるのは、焼かれて食べられ、虚しく生命を終えることではない。
同様に、この映画のマリアンも、虚しい関係をブランドンと持ち、自分が仔羊のように貪られて終わることを望んではいない。
スティーヴ・マックイーン監督がそれを意図していたかはわからないが、表現とは自分の意図していない部分をも示すものであり、それ故に色んなことを深く考えさせられる。
SHAME -シェイム- [Blu-ray]
36パーセントの割引で¥1,400 -36% ¥1,400 税込
参考価格: ¥2,200 参考価格: ¥2,200¥2,200
他に注記がない場合、参考価格とは、製造業者、卸売業者、輸入代理店(「製造業者」)などの小売業者以外が設定した、商品のカタログなど印刷物で発表された、または製造業者が小売業者に提示する参考価格・推奨小売価格を意味します。ただし、Amazonが製造・販売するデバイスの参考価格については、他に注記が無い場合、個人のお客様向けに最近相当期間表示されていた価格を意味します(注記の内容を含む参考価格の詳細については、該当する商品詳細ページをご確認ください)。なお、割引率の表示は1%毎に行われており小数点以下は四捨五入しています。
詳細はこちら
詳細はこちら
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,400","priceAmount":1400.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,400","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"J1UgDKmYtCVSD0cCApD85uuNYzTCrwm5igzUHxgx9m3y6qLLZPKmTDt1IGOXYByfcQl%2BGOikIm9R%2FGPtplBDttbj6XS7SKyN3t08cfSvuiwGhkK1WiLIG2E3iEpItaYWyqsP1zli1ho%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
フォーマット | 色, ドルビー, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | キャリー・マリガン, ジェームズ・バッジ・デール, ニコール・ビヘイリー, マイケル・ファスベンダー, スティーヴ・マックィーン |
言語 | 英語, 日本語 |
稼働時間 | 1 時間 41 分 |
Amazon 新生活SALE (Final) 開催中
期間限定!人気商品がお買い得。最大5,000ポイント還元ポイントアップキャンペーン
Amazon 新生活SALE (Final) を今すぐチェック
Amazon 新生活SALE (Final) を今すぐチェック
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- 言語 : 英語, 日本語
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 80 g
- EAN : 4589921411479
- 監督 : スティーヴ・マックィーン
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 1 時間 41 分
- 発売日 : 2020/5/15
- 出演 : マイケル・ファスベンダー, キャリー・マリガン, ジェームズ・バッジ・デール, ニコール・ビヘイリー
- 字幕: : 日本語
- 言語 : 日本語 (Dolby Digital 5.1), 英語 (Dolby Digital 5.1)
- 販売元 : ギャガ
- ASIN : B085DY2H14
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 24,421位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 2,199位外国のドラマ映画
- - 2,682位ブルーレイ 外国映画
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年5月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容をイマイチ理解出来なかった
2023年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今の日本では無駄に(?)性的表現が氾濫しているから、
麻痺した人には単にエロでしかないかもしれない。
センシティブな話による切り出しで恐縮だが、
例えば性的少数者、
LGBTQを論じようとすると、
表現物のひとつとして、
ボーイズラブを描いた表現を毛嫌いする自由と
享受する自由は併存しうるが、前者は根強く残るだろう。
一応、かりそめかもしれなくても日本は自由主義社会であるし、
その社会では、
いずれの立場からも自分の立場の受容を強制はできないし。
では表現を横にスライドして、
近親姦とか近親婚は肯定的に描けるものだろうか?
宗教や倫理道徳という以外にも、
生物学的・遺伝学的にもまずいとされている。
そういうタブーをあまりに容易く描いた「軽い」作品も巷にはあるかもしれない。
しかしこの作品は違うものだ。
あまりに潔癖にそれを避けようとするあまり、
おそらく兄は性的に倒錯してしまった(仮説)。
「妹以外の誰かでないといけない」と思って
(キリスト教的にはcrimeではなくsinだろうので)、
他人の女と継続的な絆を作ることをおそらくは若い当初模索したのだろうけど、
成功した今や、もうそういう絆を形成することは他の女とできなくなっている。
なので、相手はプロばかりだ。
(反面、絆をきちんと築こうとする離婚経験者の人とはなんとできなかった)
成功者だけど、とても空虚だ。
衝動に依っているので、抑えが効かない。
息が詰まるほど哀しい様相。
背景として彼ら兄妹の幼少期に何かがあった。という示唆はある。
兄の頭にはかなり強く殴られたらしき痕跡が残っているという台詞はある。
親や親類に悲観してぶん殴られたとか…?
だが、結局回想シーンなどはひとつもない。
過去は想像で補填するしかない。
「現在彼がのめり込んでいる性的な倒錯」は連発して出てくるが。
リストカット癖があって、恋愛依存症っぽい妹も
そういう文脈において一対として存在する(ようだ)。
おそらく気持ちは通じているのかもしれない。
しかし安直にくっつけばいいというものではない。
劇中前半、とある女性に兄が誘惑を仕掛けた構図があって、
とある大事件を経たのち、
ラストにてその女性ともう一度再会がある。
同じ地下鉄のシーンで同じ行動をとったものか、
暗転してエンドロールになるときにとても気になった。
彼は衝動を乗り越えられたのか否か…。
西洋社会の宗教道徳では決して「純」愛なんて文字は付与されないわけで…。
妹に対してなんて、むしろ邪悪とか不純とか貶されまくるものなんだろう。
でも妙な話で、赤の他人であれば
「自由恋愛」としてだったら、
一夜限りの通りすがりだって良いという。
法的に恋愛の自由はもちろんあるがそれも「不浄」じゃないのかね(汗)。
やっぱり恥辱というよりも報われなさ、
ねじれ、ゆがみ、哀切なんじゃないだろうか…(仮)。
麻痺した人には単にエロでしかないかもしれない。
センシティブな話による切り出しで恐縮だが、
例えば性的少数者、
LGBTQを論じようとすると、
表現物のひとつとして、
ボーイズラブを描いた表現を毛嫌いする自由と
享受する自由は併存しうるが、前者は根強く残るだろう。
一応、かりそめかもしれなくても日本は自由主義社会であるし、
その社会では、
いずれの立場からも自分の立場の受容を強制はできないし。
では表現を横にスライドして、
近親姦とか近親婚は肯定的に描けるものだろうか?
宗教や倫理道徳という以外にも、
生物学的・遺伝学的にもまずいとされている。
そういうタブーをあまりに容易く描いた「軽い」作品も巷にはあるかもしれない。
しかしこの作品は違うものだ。
あまりに潔癖にそれを避けようとするあまり、
おそらく兄は性的に倒錯してしまった(仮説)。
「妹以外の誰かでないといけない」と思って
(キリスト教的にはcrimeではなくsinだろうので)、
他人の女と継続的な絆を作ることをおそらくは若い当初模索したのだろうけど、
成功した今や、もうそういう絆を形成することは他の女とできなくなっている。
なので、相手はプロばかりだ。
(反面、絆をきちんと築こうとする離婚経験者の人とはなんとできなかった)
成功者だけど、とても空虚だ。
衝動に依っているので、抑えが効かない。
息が詰まるほど哀しい様相。
背景として彼ら兄妹の幼少期に何かがあった。という示唆はある。
兄の頭にはかなり強く殴られたらしき痕跡が残っているという台詞はある。
親や親類に悲観してぶん殴られたとか…?
だが、結局回想シーンなどはひとつもない。
過去は想像で補填するしかない。
「現在彼がのめり込んでいる性的な倒錯」は連発して出てくるが。
リストカット癖があって、恋愛依存症っぽい妹も
そういう文脈において一対として存在する(ようだ)。
おそらく気持ちは通じているのかもしれない。
しかし安直にくっつけばいいというものではない。
劇中前半、とある女性に兄が誘惑を仕掛けた構図があって、
とある大事件を経たのち、
ラストにてその女性ともう一度再会がある。
同じ地下鉄のシーンで同じ行動をとったものか、
暗転してエンドロールになるときにとても気になった。
彼は衝動を乗り越えられたのか否か…。
西洋社会の宗教道徳では決して「純」愛なんて文字は付与されないわけで…。
妹に対してなんて、むしろ邪悪とか不純とか貶されまくるものなんだろう。
でも妙な話で、赤の他人であれば
「自由恋愛」としてだったら、
一夜限りの通りすがりだって良いという。
法的に恋愛の自由はもちろんあるがそれも「不浄」じゃないのかね(汗)。
やっぱり恥辱というよりも報われなさ、
ねじれ、ゆがみ、哀切なんじゃないだろうか…(仮)。
2023年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分のペースで確立した今よりも、より刺激的に見える世界があり、そこに強い欲求がある割になかなか人に打ち明けられない主人公と、自分は自立しているつもりで、様々なことを頑張ってるが、いつもなぜか常に壊れ、そこに自分という存在の邪悪さを感じながらもついやってしまい、社会の中でさまよっている妹。
そうした世渡りしかできない精神的に不器用な人たちの関係について、セリフで繕うのではなく、シーンで描いた作品。
無論、結末はハッピーにはならないのは当たり前だが、どこかで合理的に相手を突き放せなくなっている主人公の奥底の心理がなんとも切なく、一方で人とはそんなもんだとも思わせる。
今、むしろシシー側に自分と似たようなと感じる人が多い世の中だが、監督は実はブランドンもシシーも両方の存在が社会を作っていて、その結果人生行き詰まる人が増えてるんじゃないかとこの作品で訴えてるのではなかろうか。
ただ、展開するストーリーとしてはありふれていて、芝居と映像美で持たせてる感はつよい。
そうした世渡りしかできない精神的に不器用な人たちの関係について、セリフで繕うのではなく、シーンで描いた作品。
無論、結末はハッピーにはならないのは当たり前だが、どこかで合理的に相手を突き放せなくなっている主人公の奥底の心理がなんとも切なく、一方で人とはそんなもんだとも思わせる。
今、むしろシシー側に自分と似たようなと感じる人が多い世の中だが、監督は実はブランドンもシシーも両方の存在が社会を作っていて、その結果人生行き詰まる人が増えてるんじゃないかとこの作品で訴えてるのではなかろうか。
ただ、展開するストーリーとしてはありふれていて、芝居と映像美で持たせてる感はつよい。
他の国からのトップレビュー

Client d'Amazon
5つ星のうち5.0
Film shame.
2023年11月13日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
A voir absolument. Un grand film avec des acteurs vraiment au top

Daniel Sánchez Cardona
5つ星のうち5.0
EXCELENTE, PERO....
2015年7月17日にメキシコでレビュー済みAmazonで購入
La compra fue muy rápida y sencilla, el tiempo en que llego fue increíble, lo pedí el martes en la noche y el jueves en la tarde ya estaba. Tenía miedo de que los subtitulos fueran en castellano, pero gracias a Dios no. El único inconveniente es que no llego muy protegido (pero no llego roto, ni nada) y eso es algo que deberían tener en cuenta a la hora de mandar algo, pero de ahí en fuera todo excelente. Anímense a comprar.

Mar
5つ星のうち5.0
Inpresionante
2015年6月10日にスペインでレビュー済みAmazonで購入
Una película impresionante, Michael insuperable se merecía el Oscar, te llega hasta el fondo y hace que te plantees muchas cosas. Las escenas de sexo inplicitas son totalmente necesarias para el buen desarrollo de la película y se comprenda bien lo que quiere transmitir el director

Camelon
5つ星のうち5.0
Inaspettatamente magnifico
2014年10月11日にイタリアでレビュー済みAmazonで購入
Avendo già visto "12 anni schiavo" e "Hunger" avevo un'opinione e quindi un'aspettativa positiva sulla regia (Steve McQueen), ma non ero affatto certa se mi sarebbe piaciuto il film o meno, considerando il tema innegabilmente forte, se non addirittura ostico. Con mia grande sorpresa e gioia, invece, devo affermare senza riserve che è una pellicola davvero eccellente, un piccolo capolavoro, profondo e commovente, mai squallido o imbarazzante, ma ,anzi, a tratti anche tenero. Fassbender, per il quale non avevo una grande predilezione, è bravissimo, assolutamente convincente in un ruolo nient'affatto facile da affrontare, digerire e far accettare, mentre lui lo rende perfino piacevole! Lo stesso si può dire per Carey Mulligan. Come già ho lasciato intendere sopra, la regia è magistrale, assolutamente all'altezza delle migliori aspettative. Non lasciatevi intimidire della trama, ne vale la pena!

Giovanni S.
5つ星のうち4.0
La solitudine di un uomo ossessionato dal sesso.
2018年9月3日にイタリアでレビュー済みAmazonで購入
Film dalla regia "pulita", per certi aspetti asettico. Film comunque molto interessante, basato quasi tutto sulla recitazione di Michael Fassbender. Il film è sicuramente molto interessante e l'ambientazione contemporanea non fa che accentuare il dramma del protagonista.
Film da vedere ma non per tutti.
Film da vedere ma non per tutti.