レビューを観ると、もっぱら海外発で評価が結構高いところ、私と視点が異なるのか些か疑問を感じてしまう。何故なら最初に言ってしまうと…本作品は『プライベート・ライアン』のWWⅠバージョン(オマージュ?)である。劇中の舞台もフランスかつ敵方も同じくドイツ。それ故に、右映画を何度か観た私には既視感が半端無い。以下は『プライベート・ライアン』と本作品との対照を簡略に纏めた。
①ミラー大尉(トム・ハンクス)→ウィリアム大尉(ベイツ・ワイルダー)
②ミラー大尉の腕の神経症→ウィリアム大尉の精神神経症
③ライアン2等兵救出のためミラー大尉自身と指揮部隊の犠牲→黒人部隊救出のためのウィリアム大尉自身と部隊の犠牲
④序盤の米国部隊激戦(ノルマンディ上陸作戦)→フランス奪還のための米国部隊激戦
⑤ライアン2等兵生還(ミラー大尉戦死)→黒人部隊生還(ウィリアム大尉戦死)
ストーリーは、ほぼ『プライベート・ライアン』をなぞったものと言って良い。将軍からの救出命令なども凡そオマージュである。敢えて相違を言えば、兵役(軍隊)における“人種差別”への批判的趣旨だろうが、いかんせんストーリーが『プライベート・ライアン』そのものと言って良いほど相似しているので新鮮味は無い。黒人部隊救出命令の辺りから、結末が予想できるほどである。描写も『プライベート・ライアン』ほどの臨場感に乏しく迫力不足。まぁ、『プライベート・ライアン』ができ過ぎと言うことにしておきたい。