白鳥の湖のハッピーエンド版は、この版以外に、ロパートキナ(マリインスキー2006年)・マハリナ(キーロフ(現マリインスキー)1990年)・ザハロワ(ミラノスカラ座2004年)・アナニアシヴィリ(ペルミ1992年)のDVDを見ました。
20代のオデットの愛らしく儚げで完璧なる美をじっくり味わいたい方には、マハリナ(キーロフ(現マリインスキー)1990年)か、ザハロワ(ミラノスカラ座2004年)をおすすめします。特にマハリナの版は、群舞が史上最高レベルだと思います。アナニアシヴィリ(ペルミ1992年)も20代後半です。
音楽愛好家の方には、この版(ウクライナ2019年)をおすすめします。最も心地よくチャイコフスキーの世界に没頭できる良質な演奏だと思います。ロパートキナ(マリインスキー2006年)・マハリナ(キーロフ(現マリインスキー)1990年)は、音楽愛好家にはおすすめできません。チャイコフスキーが心をこめて作曲した終曲の、美しい半音上がりの和音変化8小節(←アマチュアオーケストラの人たちが気持ちよくひく箇所)がごっそり省略されていて、最後の最後にストレスがたまります。
日々の生活に疲れている方、湖畔のホテルの湖側の部屋に一人でチェックインしたいような気分の方(←たいていの私だわ・・)には、最高の癒しとしてこの版をおすすめします。
この版は、1幕が湖の背景に水色のふわふわシンプルドレスの群舞が、湖の水の妖精たちのようで、湖畔のホテルの湖側の部屋にチェックインしたのと同じような気分になります。
他の版(←悲劇版を含めて)のように、圧迫感のある背景・道化のせわしない仕草・ごちゃごちゃした衣装・複雑な人間関係を注視する必要のないことが、私たちをくつろがせてくれます。
かといって、退屈ではありません。1幕なら紫のシンプルドレスのムロムツェワさんの美しい容姿と踊りを堪能できますし、若くて美貌で美しい衣装の王妃にうっとりとしてしまいます。
マツァークさんは顔も体型も人間の女性としてあふれんばかりの魅力がありますので、黒鳥でも特に大きな演技はせず自然体で演じるだけで王子を虜にできます。付加的な演技が削がれていることでリラックスして鑑賞できます。
また、この版のマツァークさんのオデットには、「侍女たちをなんとしてでも人間に戻す」という使命感が感じられ、物語全体に気品と深みを与えています。
ただ美しく儚いだけでなく、一国の王女としての凛とした心の芯があって、侍女たちから敬愛されていることがわかり、侍女たちを人間に戻そうとする使命感によって、神々しさが増しています。
湖畔で間違いを詫びたあとも、オデットは王子を勇気づけ励まし、ロットバルトの弱点を教えて(←私見)、ロングリフト作戦を打ち合わせ(←私見)、侍女たちとの信頼関係も最強度です。
侍女たちの間を通るロングリフトと、終曲のハープの調べの中で侍女たちが順番に人間に戻るシーン、素直で純粋な作品に仕上がっていて、天国のチャイコフスキーも満足していると思います。
マツァークさんはロシアのウクライナ侵攻後もキーウにとどまり、警報のたびに地下避難しながら公演を続けておられるそうで、侍女たちを守るオデットが国を守るオデットになられたようで、この作品の真実味が増しています。ムロムツェワさんはハンガリーのバレエ団に避難されているようです。男性の群舞の方たち、お一人亡くなられたとか。
このバレエ団は侵攻後はチャイコフスキー断ちをされていますので、この作品の収録は大変貴重なものです。平和が戻ってウクライナの白鳥の湖が来日してくださるまで、大切に大切に見続けたいと思います。
キエフ・バレエ - チャイコフスキー《白鳥の湖》[Blu-ray Disc]
形式: Blu-ray
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商品の説明
チャイコフスキー(1840-1893):『白鳥の湖』 三幕のバレエ 台本:ウラジーミル・ペギチェフ、ワシリー・ゲルツァー
タラス・シェフチェンコ記念ウクライナ国立歌劇場バレエ団(キエフ・バレエ)
ナタリヤ・マツァーク…オデット/オディール
デニス・ニェダク…ジークフリート王子
ヤロスラフ・トカチュク…ロットバルト
ほか
ウクライナ国立歌劇場バレエ団
ミコラ・デャデューラ(指揮)
ウクライナ国立歌劇場管弦楽団
振付:マリウス・プティパ、レフ・イワノフ、アレクサンドル・ゴルスキ
1986年初演ヴァレリー・コフトゥン版
美術・衣装:マリア・レヴィツカ
収録(HD):2019年6月 ウクライナ国立歌劇場、キエフ
収録時間:129分
映像:
16/9 NTSC All Region 片面2層(DVD、Blu-ray)
Full HD(Blu-ray)
音声:
PCM 2.0 & Dolby Digital 5.1(DVD)
PCM 2.0 & DTS-HD Master Audio 5.1(Blu-ray)
【キエフ・バレエによる『白鳥の湖』】
来日公演でも好評を博しているキエフ・バレエによる『白鳥の湖』、2019年に本拠地で行われた公演の映像作品が登場しました。来日公演のメンバーとしてもお馴染みのナタリヤ・マツァークがオデットを、同じく来日で注目されているデニス・ニェダクが王子を演じています。ステージを広く使ったダイナミックな表現が魅力のキエフ・バレエを、存分にお楽しみいただける作品です。
登録情報
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 100 g
- EAN : 4589538748555
- 時間 : 2 時間 9 分
- 発売日 : 2019/12/20
- 出演 : (クラシック)
- 販売元 : BelAir Classiques
- ASIN : B07ZW8WPG4
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 29,410位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 79位バレエDVD
- - 178位ブルーレイ ステージ
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年8月6日に日本でレビュー済み
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2023年1月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ロシアの軍事侵攻で大変な事になっているウクライナ、キーウ(キエフ)バレエ団の「白鳥の湖」2019年収録版。
少し変わった振り付けもあり、見ていて面白かったです。見所はやはり白鳥達のダンスで、めっちゃキレイです。
難を言えば音の音圧レベルがチョイ低めで、せっかくのDTS HD Master仕様なのに勿体ない感がチラホラ。と文句は言いましたが全体的なクオリティはかなり高めで買って損はしないかなと。
少し変わった振り付けもあり、見ていて面白かったです。見所はやはり白鳥達のダンスで、めっちゃキレイです。
難を言えば音の音圧レベルがチョイ低めで、せっかくのDTS HD Master仕様なのに勿体ない感がチラホラ。と文句は言いましたが全体的なクオリティはかなり高めで買って損はしないかなと。
2021年1月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
画像が綺麗でビデオプロジェクター大画面でも臨場感があって実際の劇場にいてるみたい!
2020年1月18日に日本でレビュー済み
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オデット・オディールのナタリヤ・マツァークは非常に美人で艶があり、男性ならきっと惚れてしまうあろう飛び切り美しいヒロインを演じてします(ただし女性からは好みが分かれるタイプかと)存在感もオーラもあるし、オデットの方が適役だと感じますが、技術的にも腕の動きが柔軟で素晴らしいと思いました。ただ王子が…技術的には優美で存在感もある方なのですが、顔が強面のせいでしょうか?所作もなんとなくおっさんぽい。それに対してロットバルトの印象が若すぎる。端正なマスクでメイクが普通だからかもしれませんが、シャープに立ち振る舞っても悪魔らしい凄みに欠けています(はじめから王子の方が強そう…そういう演出?)更に舞踏会のシーンでもオディールの保護者にはとても見えず…(王子もお妃選びをする若い息子に見えません)そう感じてしまうのは最近見て来たSWANLAKEが、どれも繊細で美しい王子とド迫力の悪魔の対決だったせいでしょうか…。やはり女性がSWANLAKEの世界に浸るためには、王子と悪魔のキャラバランスや美しさは重要なんだなと思いました。コールドは存在感のある踊りを見せてくれていて、特に4幕の冒頭は見ごたえがあります。舞台も演技も全体的に保守的な印象。それゆえ民族舞踊がちゃんと民族舞踊らしく仕上がっているなど好感が持てる面も。ただいかんせん細かいところが随所にゆるいので気になります。「久々にハッピーエンドの新映像!」と思い購入しましたが、個人的には隅々まで配役や演出が完成された舞台に比べ物足りなさを感じる結果となりました。ただしこれは好みの問題。映像はとても綺麗で音も良いですし、美しいヒロインを観たい方にはお勧めの一枚です。
2019年12月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ナタリヤ・マツァークが綺麗なので購入しました。マリィンスキーバレエ団・ボリショイバレエ団・ロイヤルバレエ団と多くの「白鳥の湖」を購入してきましたが、どれも今ひとつ。
ウクライナ美人に期待していましたが、本当にバレエ団の方々は美しい。
内容的にはマリィンスキーバレエ団に近いので、これも大満足。
白鳥の湖はバレエ団でかなり内容が違うので比較がしにくいのですが、自分にとってはキエフバレエ団が一番気に入りました。キエフバレエ団ありがとう。
ウクライナ美人に期待していましたが、本当にバレエ団の方々は美しい。
内容的にはマリィンスキーバレエ団に近いので、これも大満足。
白鳥の湖はバレエ団でかなり内容が違うので比較がしにくいのですが、自分にとってはキエフバレエ団が一番気に入りました。キエフバレエ団ありがとう。
2020年3月27日に日本でレビュー済み
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大変気に入りました
2020年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年6月、ウクライナ・キエフでの公演。「白鳥の湖」最新の映像ディスクです。冒頭、歌劇場の全景や出番を待つダンサーたちが映し出されます。幕が開くと、息を呑むほどの美しいステージがあらわれ、一気に期待感が膨らみます。主役の二人、特にオデット&オディールを踊るナタリヤ・マツァークが美しい。それとなんといってもこのステージ(1986年初演、コフトゥン版)、コール・ド・バレエにひときわ光りを当てているのが印象的で、振り付けの意図したことなんでしょうが、覚醒の感があります。また、ダンサーたちもその要求に充分応えていて好印象を覚えます。踊りはピエトラガラのパリオペに勝るとも劣らずのなかなかの出来ばえで、シンクロもうまくいってる感じです(ダンサーたちの脚の動きにも工夫がみられます)。ただ、ちょっと悪役のロットバルトの存在が薄い感じで、どぎついメイクと衣装に慣れ親しんでしまっている者としてはもの足りなさを覚えます(終盤の決闘シーンもやや緊迫感に乏しい感じがします)。ステージ美術は過不足のないものですが、照明が美しさを補っています。音楽は比較的ゆっくりとしたテンポで進められていて、ダンサーたちに協力的なのがわかります。音はオケピット内の響きを忠実に拾っていますが、左右への広がりにはやや欠けます。映像は繊細で美しくハイビジョンならではではのもの(余分なカット割りが2〜3ヶ所あったりしますが、ご愛嬌ですませられます)。全体的には少し緩慢な印象がなくはないのですが、いずれにしても購入して後悔されることはないでしょう。キエフバレエの底力の感じられるディスクです。
2020年1月21日に日本でレビュー済み
「くるみ割り人形」に続いて出ましたキエフの「白鳥の湖」! 主演はベテランMatsak。まだまだ若々しくてお美しいし踊りも素晴らしい。個人的にはMuromtsevaがPas de trois、Big Swans、Brides(花嫁候補)で踊ってるのが嬉しいです。「くるみ」ではColombineでしたからね。こういう正統派の踊りを観たかったです。前々から綺麗な踊りをする人だなあと思っていましたが、映像ソフトであらためて確認出来ました。花嫁候補4人の中でもひと際光ってると感じたのは贔屓目過ぎでしょうか。MariinskyやBolshoiに移籍しないと映像ソフトでは見れないと思っていたので、本当にキエフありがとう!という感じです。
カメラワークが今一つのところもありますが、とてもオーソドックスな「白鳥」で誰にでもお勧め出来ます。振付家・演出家の個性が出過ぎた作品が最近多いように感じますが、やはり「白鳥」はこういう正統派がいいですね。道化は出ていませんが、Venetian(Napolitan) danceで結構盛り上げてます。ロットバルトは凄みはないですが精悍な感じで、踊りが比較的多くて結構好きです。
エンドロールにヴィオラやハープ、チェロ、オーボエ、トランペットの独奏者の名前もクレジットされているのが素晴らしい。劇場サイドの団員へのリスペクトが感じられて好感度がさらにアップしました(どこかの超有名劇場とは大違いです)。
Bel Air Classiquesの1分間のtrailerがとても秀逸なので視聴をお勧めします。短時間に凝縮された映像でこのバレエ団の実力・雰囲気が垣間見れます。
カメラワークが今一つのところもありますが、とてもオーソドックスな「白鳥」で誰にでもお勧め出来ます。振付家・演出家の個性が出過ぎた作品が最近多いように感じますが、やはり「白鳥」はこういう正統派がいいですね。道化は出ていませんが、Venetian(Napolitan) danceで結構盛り上げてます。ロットバルトは凄みはないですが精悍な感じで、踊りが比較的多くて結構好きです。
エンドロールにヴィオラやハープ、チェロ、オーボエ、トランペットの独奏者の名前もクレジットされているのが素晴らしい。劇場サイドの団員へのリスペクトが感じられて好感度がさらにアップしました(どこかの超有名劇場とは大違いです)。
Bel Air Classiquesの1分間のtrailerがとても秀逸なので視聴をお勧めします。短時間に凝縮された映像でこのバレエ団の実力・雰囲気が垣間見れます。