☆ クリストフ・ヴィリバルト・グルック:生誕300年 オペラ改革者としての音楽史上の位置は有名でも、作品自体は意外に知られていないグルック(1714-1787)。彼の生誕300年を記念して、代表作3作をBlu-ray1枚に収録。どの演目も発売時から高い評価を受けているものばかり。107540の3枚組DVD-BOXと同内容ながら、グルックの生涯をフィーチャーした60分の特別映像も追加。知られざるグルックの生涯についても思いを馳せることができる優れものです。
収録時間:1…165分/2…108分/3…83分/ボーナス…60分/音声:ステレオ2.0/字幕:英,独,仏,西,伊/画面:4:3
1.歌劇「アルセスト」(1776年パリ版 フランス語歌唱)
カテリーネ・ナグレシュタット/ドナルド・カーシュ/シュトゥットガルト州立管弦楽団/コンスタンティノス・カリディス(指揮) 他
王アドメートを救うために、自らを犠牲にすることを決意した王妃アルセスト。その決意は固く、約束の時が来て、死の神が彼女を迎えにきた時にも決して揺るぐことはありませんでした。そんなアルセストを見た死の神は、彼女がこの世に留まることを赦すのです。ギリシャ神話の世界を現代に置き換えた見事な舞台。ヘンデルを得意とするナグレシュタットの素晴らしい歌唱。カリディスの溌剌たる指揮。全てが溶け合った素晴らしい演奏です。2006年 シュトゥットガルト州立歌劇場 ライヴ収録。
2.歌劇「トーリードのイフィジェニー」(1779)
ジュリエッテ・ガルスティアン/ロドニー・ギルフリー/チューリヒ歌劇場「ラ・シンティッラ」オーケストラ/ウィリアム・クリスティ(指揮) 他
グルックの創作活動の絶頂期に書かれたこの作品。ギリシャ神話をモティーフにしながらも、複雑な人間模様が描かれています。演出は若干奇異に映るかもしれませんが、非現実的な要素をよりどころにする作品だけに、これはこれでありかも。と思わせてくれます。なんといってもクリスティの指揮が素晴らしいものです。2001年 チューリヒ歌劇場 ライヴ収録
3.歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」(1762)
ヨッヘン・コヴァルスキー/ジリアン・ウェブスター/コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団/ハルトムート・ヘンヒェン(指揮) 他
ボーナス映像…・変化の風、愛の風-クリストフ・ヴィリバルト・グルックの生涯(インガー・エビィ:映像)
彼が出演すると作品の評価と印象が大きく変化する、とまで言われるカウンターテナー歌手コヴァルスキー。日本でもおなじみの彼が、カストラートのために書かれたグルックの代表作を歌います。これまでは古楽系の歌手によるものが多く、そうした意味ではグランド・オペラ風の力強さが作品に宿ったと言えるでしょう。BBC/Opus Arteからリリース進行中の「指環」でも斬新な演出を行っている、クプファーのセンスにも注目です。1991年 コヴェント・ガーデン王立歌劇場 ライヴ収録