1964年のパリ 不倫する若い人妻の24時間を描くゴダールの社会風刺的な問題作br>
パリに住む中産階級の若い人妻シャルロット(マーシャ・メリル)は、舞台俳優のロベール(ベルナール・ノエル)の新居で隠れた情事を楽しむ。彼には夫に離婚を要求していると言ってある。
彼女と、長期出張の多い軽飛行機の操縦士の夫ピエール(ピエール・ルロワ)のあいだには、夫が前妻とのあいだにもうけた幼い息子ニコラがいる。ピエールは一度は彼女の浮気を疑ったが、今は妻の貞淑を信じているようだ。
自ら虚言癖があると自覚しているシャルロットは、自分の性的魅力を高めることに強い関心を持ち、女性誌の下着の広告に熱心に目を通す。彼女自身、女性誌の写真モデルでもある。自分の胸の形を常に気にするのも、無数の広告や雑誌記事がそう仕向けているからだ。
だが、自分も夫も愛人も欺き続けている彼女も、ある現実に直面し、大きな決断を迫られることになる。
当時社会問題となっていた不倫をテーマにしつつ、1人の女性と性と時代のスケッチをゴダール流に試みた一作。
【特典】
特典映像:マーシャ・メリル インタビュー、予告編
封入:解説リーフレット(執筆:細川晋 72項)
UNE FEMME MARIÉE ©1964 Gaumont / Orsay Films